幼きリュークの決意]

　 オレは、生まれたばかりのキッチェが、あんまり可愛いからオレの妹だったらいいなって思った。

　それから流れ星に「キッチェがオレの妹になりますように！」ってお願いして、それが最悪の形で叶ったなんて、本気で思っちゃいないけど、

　－－－キッチェのお父さんやお母さんや島のみんながウイルスで死んでしまってーーー

結局、本当にオレが育てる事になった。

　でも、キッチェに「お兄ちゃん」とは呼ばせない。
　オレは「リューク」で親父は「おじ様」だ。

　だって、キッチェには、島で親父の参謀だった賢いお父さんがいて、長い金髪がきれいな美人のお母さんがいて、
キッチェを一番愛してるのは　ご両親なのだからキッチェが大きくなったら、それを分かっていなくちゃ　ならない。




キッチェのお父さん、お母さん、－－－｛キッチェが妹になりますように｝－－－って願ってしまってごめんなさいーーー。

　オレはキッチェにとって『一番大事なお兄ちゃん』になれなくていい！
　永遠に『２番目』でいいからーーー

　夜空を駆ける星に祈る。

－－－キッチェが……世界で一番幸せな女の子になれますようにーーー。